いざという時、何をしたらいいの?

周りを見渡してみよっか

水害は、突然(とつぜん)発生する地震と違い、被害(ひがい)が発生することをある程度予測することができます。予測をすることで事前に避難(ひなん)することが可能になります。被害(ひがい)が発生するほどの雨量の目安や、避難(ひがい)をした方がいい基準、その他水害時にどのように対処をしたほうが良いのか見ていきましょう。

雨量の目安

天気予報で「時間雨量○○ミリの雨が降ります」というようなことを聞いたことがあると思いますが、雨量ごとにどんな状態になるかを表したイラストがこちらです(気象庁提供)。

20ミリ以上の雨が降るとずぶぬれになっちゃうね。

そうだね、30ミリを超えるような雨だと、道路もこのように川みたいになってしまうことがあるのよ。

また、大雨注意報や大雨警報(けいほう)などの「注意報」や「警報(けいほう)」が発表されているときは、災害が起こる可能性があるので、避難(ひなん)する準備をする必要があるのよ。

避難の基準

避難(ひなん)するときの基準にはどんなのがあるの?

避難(ひなん)準備情報、避難勧告(ひなんかんこく)、避難(ひなん)指示という3段階があります。
避難(ひなん)準備情報は、避難(ひなん)する準備を始めるように促(うなが)すものです。
避難(ひなん)勧告は、避難(ひなん)することを勧(すす)めるものです。
避難(ひなん)指示は、避難勧告(ひなんかんこく)よりもさらに危険が迫(せま)っているときに発表されます。

どこに避難するの?

でも、実際にどこに避難(ひなん)したらいいのかな?

「広域避難(ひなん)場所」と「指定避難(ひなん)所」というところがあり、広い公園などは広域避難(ひなん)場所、学校や公民館が指定避難(ひなん)場所となっていることが多いです。大雨の時は屋外だと雨に濡(ぬ)れてしまうから、今度通っている学校や近くの公民館が指定避難(ひなん)場所になっているか確認してみてください。

今度学校の先生に聞いてみるね!ちなみに東日本大震災のように津波(つなみ)の時も指定避難(ひなん)所に避難(ひなん)すればいいの?

津波(つなみ)のときは、指定避難(ひなん)所や広域避難(ひなん)場所にこだわらず、とにかく高いところへ避難(ひなん)するようにするのよ。どれだけ海から離(はな)れるかよりも、どれだけ高いところに避難(ひなん)できるかが重要だと言われています。

高校生のみなさんへ

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高校生向け

1.注意報と警報

気象庁が発表する注意報、警報、特別警報には、下記のようなものがあります。

特別警報 大雨(土砂災害、浸水害)、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮
警報 大雨(土砂災害、浸水害)、洪水、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮
注意報 大雨、洪水、強風、風雪、大雪、波浪、高潮、雷、融雪、濃霧、乾燥、なだれ、低温、霜、着氷、着雪

特別警報:「これまで経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況」になりつつあることを示しています。
警報:「重大な災害が起こるおそれのある」ときに警戒を呼びかけて行う予報です。
注意報:「災害が起こるおそれのある」ときに注意を呼びかけて行う予報を指します。

注意報が発令された時点で、周囲の状況把握に努めたり、テレビやラジオで情報収集を行ったりする必要があります。また、場合によっては、注意報までしかないものや、警報までしかないものもあります。そのため「警報じゃないから大丈夫」と思うのは危険です。

2.避難に関する情報

避難に関する情報は、気象庁などではなく、各自治体が発表します。過去には、下記のような避難に関する情報の発表が遅れたことで、被害が拡大した事例もあります。避難情報が発表されていなくとも、「危険だ」と感じたら早期に避難することをお勧めします。

(1)避難準備情報
避難準備情報には2つの意味があります。
・人的被害が発生する災害の可能性がある場合に「災害時要援護者」を早期に避難させるため。
・災害時要援護者ではない人々に対して、避難準備情報を発令することで、避難を具体的に準備してもらうため。

(2)避難勧告
対象地域に災害が発生する危険性がある場合に発令され、住民に避難を勧告(勧める)ものです。

(3)避難指示
避難勧告よりも緊急性を要します。災害による被害が切迫した時に発せられます。

3.避難所

広域避難場所と指定避難場所の他に、「福祉避難所」というものがあります。これは、障がいを持っている方や介護が必要な方などを受け入れるための専門的な知識や器材がある避難所のことです。身近な人で介護などが必要な方がいる場合には、あらかじめ「○○市 福祉避難所」などの検索ワードで、検索し、どこにあるのかを把握しておきましょう。

4.ハザードマップ

自治体ごとに、洪水や地震時の被害を予測したハザードマップというものを作成しています。
東京都世田谷区のハザードマップ

例えば、洪水(浸水)ハザードマップでは、大雨の時にどの地域で、どれくらいの浸水が予想されているのかを表しています。また、地震のハザードマップでは、どの地域がどれくらいの震度になるのかを表しています。

これのハザードマップを見ることで、自宅周辺や通学・通勤場所が災害時にどのような被害を受けるの想定することができます。また、自宅から避難場所に移動する際には、どのみち順で行くことで、被害に遭う可能性を減らせるのかを検討することもできます。ぜひ一度、ハザードマップを見ながら、自宅周辺を散策し、災害時にどのような被害が発生するのか想定してみましょう。また、自宅から避難所への道順は、最短ルートではなく、ハザードマップを見て被害が少なそうな道順を選ぶようにしましょう。

東京都世田谷区ゆれやすさマップ
東京都北区洪水ハザードマップ

5.土砂災害

地震のあとや大雨の際には、土砂災害の発生の危険性も高まります。土砂災害には大きく3種類あります。

がけ崩れ:急な斜面が崩れる
土石流:土や石、木などが水と一緒にものすごい勢いで流れる
地すべり:斜面の広い範囲が塊のまま滑り落ちる

■すごい勢いの土石流!

土石流(岐阜県 神通川水系白谷)
出典:国土交通省ホームページ

これらの土砂災害には前兆現象があると言われています。

①がけ崩れの前兆現象

・がけから急に水が湧き出る
・がけにひび割れができる
・がけから小石が落ちてくる

②土石流の前兆現象

・山鳴りがする
・川の水が濁り、水と一緒に木が流れてくる
・雨は降り続いているのに川の水が減る
・異常なにおいがする

③地すべりの前兆現象

・地面にひび割れができる
・井戸水が濁る
・木がざわざわとしたり、木が裂ける音がしたりする(山鳴り)

NPO法人土砂災害防止広報センターのホームページに詳しく記載されていますので、ぜひ一度ご覧ください。
土砂災害に関するPDF

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