ボクたち、ワタシたちの街って安全?

災害の可能性を読み取ろう

うぁ~!これ何!

か、かっけぇ~!

秘密(ひみつ)基地みたい…。

これは、DIGといって、地図を使って、いろいろな情報を書き込みながら、防災対策(たいさく)を考える訓練方法だよ。これは、その地図だよ。Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字を取って命名されたんだよ!

やりたいやりたい~!

※DIGのやり方についてはコチラをみてね。

では、最初の地図だよ。この地図は、水害や土砂崩(どしゃくず)れがテーマだったね。まずはこのあたりを見てみてどうかな?

もらってきたハザードマップを重ねると、洪水(こうずい)の可能性があるんだね。「しんすいしん?(浸水深)」が、1.0mってなっている。一階に住んでいたら大変だ…。

雨がひどかったらすぐに逃(に)げないとね!

地図を見れば、周りが平地で、ちょっと遠いけど高台で安全な避難(ひなん)場所がどこか一目でわかるよね。避難(ひなん)ルートもがどこがいいか、道幅(みちはば)で想像できるね。ただ、浸水深(しんすいしん)1.0mだから、二階建ての家の場合。ひどい雨の中の避難(ひなん)行動よりも二階で待機したほうが安全な場合もあるよね。

避難のタイミングが難しいね…。

この場所はどうかな?(土砂災害警戒区域を指して)

雨がひどかったらすぐに逃(に)げないとね!

でも、すごい雨の中逃(に)げるほうが危ないんじゃない?急坂だし…。

前に学んだ気象情報から災害を予測することが大切な地域ということになるね!雨がひどくなる前に避難(ひなん)しておく。雨がひどくなってから、災害が起きてからは逃(に)げられないよね。

次に、この地図を見てみて。津波(つなみ)災害を想定したDIGです。君たちならどこに住みたいですか?

お店も多いし、便利そうだけど…津波(つなみ)が来る可能性が高いね。

やっぱり高台かな…お買い物とか不便そうだけど。

ほらここ!保育園があるよ!うちの子を通わせるの心配だわ~。

生活の便利さと、安全性の両立って大きなテーマだよね。でも、ここの高台の施設(しせつ)を見て。保育園や学校、病院・高齢(こうれい)者施設(しせつ)といったものだけでも、津波(つなみ)が来ないところに作る。そうしたまちづくりが日本では必要なこととも言えるよね。

このまちなら、どこに住みたい?

特に、危険はなさそうだから…、駅近でショッピングも楽で、学校も近いこのへんかな!

僕は遊歩道や公園も近いし、やっぱり閑静(かんせい)な住宅街ってことでこのへんかな。

でも、何もないのっておかしいよ!絶対何か見落としているんだよ!

鋭(するど)いね~。では、ここに昔の地図を合わせてみると…。

ここが池で、ここが川、このあたりは田んぼだったんだね。ということは、地盤(じばん)が弱い可能性がある。つまり、地震の時に揺(ゆ)れやすいということだね。さらに、駅周辺や閑静(かんせい)な住宅街といっても、あまり建物が密集(みっしゅう)していると火災延焼(えんしょう)も怖いね。

昔の地図からも、たくさんの情報が読み取れるのね。たしかに、昔から人が住んでいたところはちょっとした丘だったり、川の近くでも周りより一段高い所におうちがある感じだね。

自然との共存(きょうぞん)ってやつね。

道路一本違うだけで、地震の被害(ひがい)を受けるか受けないかが決まっちゃうこともあるってことだね…。

こうして、地図にいろいろな情報を重ねていくことで、今住んでいる場所に潜(ひそ)む危険(きけん)や、対処(たいしょ)方法を考えたり、自分が住みたい場所にどんな危険(きけん)が潜(ひそ)んでいるか、事前に知ることができるよね。知ることから選択(せんたく)や対策(たいさく)が始まるってことが大切なんだよ。

はい。

高校生のみなさんへ

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高校生向け

■昔からある街って災害に強い街

地震には周期性があり、風水害は地形から読み取れる災害リスクがあります。そう考えると、先人達が自然災害とどう付き合ってきたか?を考えることがどこに住むのか?どこが住みやすいのか?を考える大きなヒントになります。

地域の歴史(自然災害の履歴)、地域にあった暮らし、ここから学べることはたくさんあります。国土交通省が、「歴史的風致維持向上推進等調査」という取り組みを行っています。このなかの、三重県志摩市国府地区の調査報告は、地震と津波という自然災害リスクと共存してきた、戦ってきた歴史から、今を生きる私たちに大きなヒントがちりばめられています。

「自然災害等を想定した歴史的町並みの維持保全が果たす防災機能についての検討(国府地区まちづくり協議会)」報告書

皆さんの生活圏の歴史がどうなっているのか。この機会にぜひ調べてみてください。

■WEBを活用して情報収集

行政が出しているハザードマップでも十分災害リスクを読み取れますが、今はネット上であらゆる情報が集められます。便利なサイトを紹介します。

■被害想定計算シート

地震災害の場合、家屋の倒壊がどのくらい起きるのかを予測することが重要です。簡易的ではありますが、自宅周辺でどのくらいの被害が予測されるかを計算するのに以下のようなシートを活用し可視化することができます。学んできたとおり、地盤によって揺れ方に違いはありますが、予測の際の基準は震度6強です。自分の住む地域がどのくらい揺れるのかをイメージしておくことも大切です。

 


参考:関東大震災―大東京圏の揺れを知る(武村 雅之(著))

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