さて、災害にどのように備えていったらいいかについて見てきたわけだけど、最後にまとめとして、災害が起きたとき、みんなが住んでいる地域の被害(ひがい)を減らすためにどんなことができるかを考えてみよう。
すぐに思いつくのは防災訓練に参加することかな。
みんなは地域の防災訓練に参加したことある?学校の防災訓練じゃなくて。
一回だけ参加したことあるけど、同じくらいの年齢(ねんれい)の人は自分だけだったな。ほとんどがおじいちゃん、おばあちゃんで、正直あんまりおもしろくなかった。
確かに地域で防災に関わっている人は、ほとんどが高齢者の方で、次の世代の人がなかなかかかわってくれていないという課題をどこも抱えているね。
それじゃ、私たちもちょっとかかわりにくいな。
確かにそうよね。でも、災害が起きたときは、地域の助け合いがとても大事になってくるの。それなのに、都会とかでは近所に住んでいる人と会話したことがない。そもそも名前も知らないということが多いわけ。
それでいきなり助け合いって難(むずか)しい。
だから、近所の人と会ったら挨拶(あいさつ)をするところから始めたらどうかな。防災訓練に参加するのはハードルが高ければ、地域のお祭りとか清掃(せいそう)活動とかのイベントに参加してみてもいいと思う。
確かに回覧板(かいらんばん)とかにそういう情報載(の)っているよね。ネットにはないけど…。
お祭りとかなら楽しいそう!
お母さんとかが、よちよち歩きができるようになった子どもを連れて、初めて公園に遊びにいくことを、「公園デビュー」と言うんだけど、みんなも「地域デビュー」したらどうかな。
高校デビューじゃなくて?(笑)
地図を使っていろんな災害リスクについて学ぶやり方は前に紹介したけど、一歩進んで実際に街を歩いて、災害が起きたときに危険なものと、使えるものを考えたり、避難(ひなん)所を運営する際に何をしないといけないかをゲーム形式で学んだり、と今は他にもいろんなプログラムがあるんだよ。
いろいろ紹介するから、ぜひみんなも体験してみてね!例えば、避難(ひなん)所運営ゲーム、通称HUGです。詳しくはコチラを見てね!
その他にも高齢者の見守りなどをしているところもあります。
兵庫県立山崎高等学校では学校の授業として見守りをしています。
地域デビューするのにおススメなのはお祭りに行くことです。防災というと固いイメージがあり、参加するハードルがどうしても高くなりがちですが、お祭りなら楽しみながら地域の行事に参加することができます。
また、「地域でリーダーをやっているのはこんな人たちなんだ」と顔を見て知っておくだけでも大きな意味があります。お祭りを防災に活用しようというプロジェクトもあります。
ところで、前にも紹介しましたが、今日本では少子高齢化が進み、2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢化社会になります。
そして、これから地域の「担い手」が少なくなり、支えないといけない人が増えていきます。若い皆さんは、ますます必要とされるようになっていきます。若い人たちが地域の行事に参加しているだけで、周りの人は(迷惑かもしれませんが)期待と希望を持ちます。